愛知で自殺者が急増してるという話

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www.asahi.com

普通に他府県ではどうなのかというのが気になったので、どこかに統計があるだろうと思ってググってみたら、警察庁が出していました。

www.npa.go.jp

ここから2020年と2019年の8月の都道府県別の数字をコピペして、Excelにペッと貼って計算させようと思ったら、2019年版はPDF…。しかもですね、見てもらうとわかるのですが、年度によって都道府県の並びが違うのですよこれ。2019年度の方が、あとで出てくる総務省統計局の並びと揃っているので標準なのだと思うのですが、なんで意味もなくこんなことしてるんだこれ…。

気を取り直してコピペして同月前年比を出してみると、増加したのが28都府県、減少が17道県、増減なしが2県でした。上昇率(絶対数じゃないですよ)が100%超えてるのは、福井と高知の2県ですね(絶対数は、19と13。もちろん外れ値であることを考慮する必要があるでしょう)。ブクマにも書きましたが、東京は45%, この数字を超えてきてるのが、埼玉(64%), 千葉(78%), 愛知(63%), 徳島(60%), 愛媛(60%), 大分(58%), 宮崎 (56%)です。これらのうち、愛知以外の都県の知事が何らかのメッセージを発したという話は今のところないようですね。数字を眺めていると愛知県は、今年の6,7月は同月前年比がマイナスだったので、知事が敏感に反応して声明を出したというのは理解できます。

さて、次に気になるのはこの増加の原因ですが、経済状況の悪化が要因なのではないかというのはすぐ思いつく仮説です。しかし、「もともと様々な要因で自殺率が高いところが上昇してるんじゃねえの?」という可能性も捨てきれないので、仮説を簡単に検証してみました。

自殺率は先ほどの警察のサイトからPDF開いて手入力します。あと、都道府県別の平均収入を総務省統計局から入手しました。ここはエクセルなので入力簡単ですね。関係ないですけど、東京都と他府県の平均収入比較するとビビりますね。二つの国があるみたいに見えます。

www.stat.go.jp

ここで「自殺率と平均収入」、「自殺率と同月前年比の増加率」「平均収入と同月前年比の増加率」の相関を取ってみました。使ったのはexcelのcorrel関数です。結果は以下の通り。

自殺率と平均収入 -0.246
自殺率と増加率 -0.179
増加率と平均収入 0.147

いずれも正の相関関係があるとは言えないですね(自殺率と平均収入は、弱いですが負の相関を示してます)。増加率という動的な数値を扱っているのだから動的な指標、たとえば都道府県別失業率の増減との相関を取ってみるのがよいかと思うのですが、全国的な統計はないようです(年次ならば、参考値ということで上記統計局においてありますが)。

愛知県はウェブサイトで失業率の速報値を報じていて、直近の2020年4-6月は、完全失業率は2.3%で0.4%の上昇ということらしく、特に若年層(25~35歳)の上昇率が2.3%と大きいことがわかります。同じく速報値を報じている東京都でも同様の傾向が見て取れるため、このあたりに大幅な自殺者の増加の要因が隠れているように思われますが、検証にはもう少し詳細な統計が必要でしょうか。必要なのは年齢階層別の自殺者数と失業率の月次推移ですね。

www.pref.aichi.jp

以上でした。